キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



そんな七笑をみて小さくため息をついて、癖のある七笑の髪を優しく撫でた。



撫でると七笑は私の胸元にさらに頭をグリグリと押しつけて笑った。



「…改めてこうやって本音を言われるとこそばゆいけど、でも嬉しいね!…へへっ」


「…なにその笑い、気持ち悪いんだけど」


「みーこひどくない!?今すごいいいこと言ったよねアタシ!?」



それなのに気持ち悪いって…言ったのはみーこなのに…と少し目に涙を浮かべる七笑にいつもの七笑だとつい笑ってしまう。



「なんで笑ってるの!?ひどい!」



ほらね。
こうやって本音を言えばお互いが嬉しくて心が温かくなる。



本音を言って嬉しくなることもあればぶつかることだってある。
でもそれだって大切なことなんだ。



本音を言えずに終わってしまうより言い合ってぶつかる方がいい。
本音を言わない未来より、言い合ってぶつかった未来の方がきっと明るいものになると思うから。



思い出すのは花火大会で会った私の唯一の家族のこと。



…私も過去と向き合わないといけない。


< 147 / 179 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop