キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



「なんでそんな野菜とにらめっこしてるの?」


「わ…!?」



背後から誰かに耳元に囁かれ、驚いて咄嗟に囁かれた方の耳を塞いだ。



振り向くとそこにいたのは、満面の笑みを浮かべる旭だった。
イタズラ成功して満足ですという笑みが私を余計に苛立たせる。



旭の背後から"ドッキリ大成功"というパネルが出てきそうだ。



かなり速くなった心拍数を落ち着かせるために1回咳払いをする。



「…私の家に今友達泊まってるんだけど?」



ここのスーパーに旭がいるということは、私の家で夕飯を食べていこうというのは丸分かりなので、そのていで話を進める。



友達がいると言ってるのに旭は驚きもせず笑顔のまま。



「…今日は麺が安いって広告見てさ、冷やし中華でもどうかなと思って。
友達って乃々葉ちゃんだっけ?も一緒に食べよう。今日は僕が作るから」


「え、な、なんで…っ」



衝撃的で言葉がこれしか出なかった。
花火大会の時に乃々葉のことは紹介したけど、私の家に泊まっていることは話していない。



それなのに旭は乃々葉が泊まっていることを知っていた。


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