キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
「あ!みーこと旭さんがイチャついてるー!」
旭と話してればこうやって今度は七笑がからかってくる。
しかも七笑は基本的に大声だから周りにも聞こえてしまって、私が恥ずかしい思いをしないといけない。
このダブルパンチは正直キツい。
七笑は指差しながら私達のところまで戻ってきた。
するといきなり隣にいた旭が私を隠すように前に出てきて、手を伸ばした。
「……旭?」
驚きながらも旭を見上げるけど、旭は鋭い表情で真っ直ぐ前を向いていた。
気になって私も前を見るけど、前にはこっちに駆け寄ってくる七笑しか見えない。
しばらく見ていると、七笑が少し道を端にズレた。
その瞬間に旭が何を見ていたのかが分かった。
私の家の前に立っているのは何日か前の花火大会で見かけたあの人だった。
こっちに気付いた彼女は少し目を見開いて、そして眉を八の字にして微笑んだ。
あれから何年も経ったけど、その微笑みは変わらずにあの頃と同じ笑みだ。
「…美瑚はここにいて。僕が話をつけてくる……美瑚?」
私を守るために伸ばされた腕を優しく握った。
旭が目を丸くしてこっちを見たから、私は首を横に振って旭の前に出た。
花火大会の時はいきなりで言葉が出なかったけど、今なら大丈夫。
ここにはこんなにも心強い二人がいるから。
「…久しぶり……お母さん」