キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
海に到着するなり私は彼女に引っ張られながら歩いた。
そして連れてこられたのは海を一望できる岩場だった。
サスペンスドラマで見る岩場よりかは波打つ度に足に水しぶきがかかるほどに浅いけど、でも少し怖い。
「海だーー!わーーーー!」
「ちょっと!こんなところに連れてきて何するの……っ!?」
彼女は私のことなんかお構いなしに海に向かって叫ぶ。
ある程度叫んだら私の方を振り返り、海を指差した。
「何って叫ぶの!今みーこが抱えてること全部!」
「……え、…っ?」
言ってることが波の音でよく聞こえなかったけど、私が抱えてることを叫ぶって言った?
何のことか分からない。
私の抱えてること?そんなの今の私にはない。
だって今まで生きたいように生きてきたし、やりたいようにやってきた。
何も抱えてることなんてない。
それなのにここで叫ぶなんて……意味が分からない。