キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



「アタシね?何かあったときとか、叫びたいときは恵兄にここに連れてきてもらっていつも叫んでるの。

みーこだってあるはずだよ。
ずっと一人でいようとする理由、その理由となった出来事。
みーこはそれをずっと一人で抱えてる。

それを隠して次第に虚勢をはるようになってしまった…違う?」


「………」



私の心の奥底に隠していた思いを暴かれているようで、何も言い返せない。



「それをずーっと抱えて生きてくなんて自分で自分の首を絞めてるのと同じだよ?

だったら思ってることをここで叫んで吐き出しちゃった方がよくない?
吐き出すことで見えてくることもあると思うんだ!

ここにはアタシと……恵兄はいるけど、海しか聞いてないしさ!」



だから、ね?



さっきの強引さとは裏腹に優しく手を引かれて海の近くまで誘導される。



思ってること、抱えてることをここで吐き出す。



そんな吐き出すようなことない、そう思ってたはずなのに。



言われてしまうとどんどん隠していた思いが表に溢れ出してくる。


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