キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
「……え、えっと……っ」
「…ふっ。いつもと変わった登場だね?」
笑われた。
そんなことよりも七笑の言いたいことが分かってしまった。
どれだけ冷たく突き放しても定期的に私の様子を見に来てくれた。
私にどんなことがあったのかそれを唯一、幼なじみの旭は知っている。
ほんとは彼に支えられたかった。
泣きついて優しく慰めてほしかった。
でもまたいつか裏切られるんじゃないかって怖くて、気付けば突き放していた。
"二度やったなら三度目はないってね!"
玄関のカギを開けて振り返る。
「……ご飯でも食べていけば?」
友達が言い換えたこの言葉を信じてみてもいいかもしれないと思ったんだ。
1章【裏切り】完