キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
亜沙美の話はまるでどこかのドラマの話のようで信じられなかった。
でも自分のことを話す亜沙美の目は真剣そのもので、それを見れば真実を伝えてくれてるのだと分かる。
亜沙美はまだ自分一人じゃ何もできない時に人生の分岐点に立っていたんだ。
鈴ちゃんを産まない道だってあったはず。
でも亜沙美がそれを望まなかったのは幼いなりに亜沙美の意思があったから。
鈴ちゃんを産みたい、という強い意思。
じゃなきゃ今頃こんな大切なものを守るという強い目をしてないはずだから。
「…鈴を産んでからは大変だった。
高校に入ってお母さんが再婚したから実家を出て鈴と暮らし始めて休むことなくバイト三昧。
でもね?学校にバイトにクタクタに疲れて帰るけど、鈴が笑顔で迎えてくれるんだ。
お母さんと再婚した人もいい人でさ、『結婚してすぐに孫がいるなんて幸せだね。』って言ってくれたんだ。
だからどんなに疲れてもあたしはこの生活が幸せなんだ」
幸せそうに鈴ちゃんを見つめて微笑む姿はどこからどう見ても幸せそうで。
中学で苦しい思いをした分、大変でもその大変なのがきっと幸せなんだろうな。