泥酔ドクター拾いました。
「藤代さん、知ってる?ここ、一応デザイナーズマンションだってこと」

えぇ、えぇ、知っていますとも。私がこのマンションを選んだ理由は、そのデザイナーズマンションってキーワードも決め手の一つになったんですから。

って、言ってもよく考えたら何がデザイナーズマンションなのかって聞かれると、正直よく分かっていないっていうのが本音なんですけどね。

「知ってますよ。だから外観だってオシャレだし、エントランスや共有の階段だってモノトーンの色合いになっているじゃないですか。私の部屋も1DKだけどキッチンカウンターでタイル張りだし、それに…」


知っている知識を詰め込んで、ううん、内見した時に不動産屋の担当者に言われた説明を思い返しながら必死に喋ってみる。

そんな私の姿を、まるでバカにでもしているかのような表情で口元に右手をあてて私を眺めている先生に気づいて、私は途中で喋るのを止めて、頬を膨らませてみる。

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