泥酔ドクター拾いました。
大丈夫かと、真剣な目で尋ねられたら、大丈夫ではない気がしてくる。

さっきの浴室でも悪寒を感じていたし、よく考えたら熱っぽい。

「やっぱりさっきの雨のせいで……」

クシュン。

私のクシャミは大和田先生の心配そうに投げかけられた言葉まで遮ってしまう。

大和田先生は眉間に皺を寄せたままの顔を私の顔に近づけ、右手の手のひらを私のおでこにあてる。

ひんやりとしている先生の指先が、今の私には気持ちがいいと思えてしまう。

あぁ、多分この感じだと熱が出てしまったんだな。

「すごい熱じゃん!!」

ぼぉっとしてしまう頭で私がそんな考えが思い浮かぶのとほぼ同じタイミングで、先生が驚いたような声をあげた。
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