泥酔ドクター拾いました。
「ハハハ…、大丈夫です。明日、明後日久しぶりに休みなのでゆっくり休みます。」

あんまり見つめられると、恥ずかしさがこみ上げてき、思わず視線を反らしたけれど、顔は一気に熱を帯びている。

「そのほうが、いいよ」

小さくホッとしたような息を漏らした大和田先生が、何か次の言葉を紡ごうとしていたというのに。

クシュン。

もう一度出てしまった私のタイミングの悪すぎるクシャミのせいで、先生は今度は深く眉間に皺を寄せる。


「大丈…」
「大丈夫じゃないよね、藤代さん!?」

私の強がりを遮って、射抜くように真っすぐに見つめられて問われてしまったせいで、私は言葉を返すことも、その場を動くことも出来ずに固まってしまったのだった。

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