泥酔ドクター拾いました。
「先生、私……んんっ」

徐々にキスが下腹部へとうつっていくと、私は先生にしがみつきながら啼き声をあげる。

「今は、先生じゃないよ」

意地悪に微笑みながら、先生は私の耳で囁く。

「た、崇也さん」
「もう一回」
「崇也さん…あっ、ん」

背中に回した手に力を入れながら、私は崇也さんの名前を呼ぶ。

「そう、それでいい。奈緒、好きだ」
耳元で囁かれると同時に、崇也さんは腰を打ち付けてくる。


何度も何度も崇也さんの言葉を呼びながら、私は崇也さんの腕の中で意識を手放した。


小さな花びらのような跡を体中にいくつも残しながら、わずかに白んできた空の明りが部屋の中へ入ってきた頃まで私たちは何度も身体を重ねた。

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