泥酔ドクター拾いました。
2人の歩く道
「藤代さん、ちょっと」

そんな声に反応する時間さえ与えられないほどに一瞬で私は腕を掴まれると、いつもの相談室に引きずり込まれる。

ちょっとって、もう…。

私と崇也さんが結ばれて、もう半年が過ぎた。
崇也さんはこうやって時々急に私を相談室へと引きずり込む。


「何ですか?今、仕事中で……んん」

いきなり与えられたのは、優しすぎるほどの甘いキス。
文句の一つも言えず、抗議の眼差しを送っても素知らぬ顔して私の弱い部分を確実に責め立てる。


「体調どう?あんまり無理するなよ」

少しだけポッコリと膨らみ始めたお腹に視線を遷しながら、崇也さんが心配そうに呟く。


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