泥酔ドクター拾いました。
そういえば、彼女が深夜でも早朝でもママチャリを必死で漕いでいる姿を時折見かけることがある。
立ち漕ぎしながら汗を流している姿を見かけたときには、思わず笑いが零れてしまったんだった。


時には朝早く自転車でどこかに出かけているようだし、時には夕方ばっちりメイクで出かけて深夜遅くに帰ってくる。

医師として働く俺も不規則な生活だって思っているけれど、彼女もまた十分不規則な仕事をしているのだろう。

しかもいつもばっちりメイクで、どこかに出かけているってことは、どこかの繁華街かなんかで働いているのだろうか。


勝手に彼女に対する想像を膨らませていると、重たい身体はどうにか階段を昇りきり301号の自分の部屋へとたどり着いた。

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