泥酔ドクター拾いました。
「ところで、明日から赴任するドクターがかなりイケメンなんだって。」

なんだかしんみりしていた二人の間の空気を変えるかのように、美樹が明るく話題を変える。

「あぁ、そういえばこの間、師長がそんなこと言っていた気がする」


明日から整形外科のドクターが私や美樹が勤務する新都総合病院に赴任する。
先週頃から、そのドクターがイケメンだという噂が、病棟内を駆け抜けている。


「奈緒、チャンスなんじゃない?」

もう、美樹は何言ってるの。

「ありえないって。しかもイケメンって言っても白衣で3割増し位に見えてるだけだって、絶対」


美樹の好奇心に満ちた瞳を、冷静に眺めながら私は食後のシャーベットを口に運んだ。

「白衣で3割り増しとか、あるあるだよね」

美樹はそう言うとまた声をたてて笑ったのだった。


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