キミの螺旋
──目覚める時
それまでの出来事は総て夢であってほしいと願っていた。

悪い夢から覚めなきゃ

こんな苦しい夢。

目が覚めたら…今までのは悪夢で。隣には愛する凛が眠ってる…

そんな、ささやかで儚い夢が現実だったらと少しだけ期待して目を開けた。




「起きたか?藤紀」

聞き覚えのある声がして、オレはガッカリして目を瞑った。

「やっぱり現実かよ…」

山本先生が目の前にいた。

「何が?」

「別に。ここ、何処?オレどこに連れてこられたワケ?」

「教える訳ないだろう?藤紀…いや、もう陸と呼んだ方がいいかな」

ああ…そういう事か。

「オレは…古河 陸に戻るんだな?そうだよな。ルールを破ったんだもんな」

「そうだな。…とは言え、不幸中の幸いだったかもな?」

「どうして?…痛っ…」

オレはキズだらけの身体を起こした。
こんなに痛めつけやがって!

「被害者家族とは言え、凛は記憶喪失だったし…まさかお前と付き合ってるなんてさ。すぐには世間にバラさないだろ?

普通…被害者の家族なんかに遭遇して、犯罪者が外に出されてるなんてマスコミに知れてみろ。個人レベルの問題じゃないんだ」
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