オフィス・ムーン
「どの親でも自分の子供に幸せになって欲しいと願うものだ」
遥の父は、ゆっくりと話し始めた。大輔の表情が少し、硬くなった。
「最近娘が変わってきたのは、君の影響だって事が解ったよ。」
「え?」
「…元々遥は、明るくて優しい、いいこだった。それを私たち夫婦は、息子の死のショックから遥を酷く傷つけてしまった。でも…今の遥は変わってきた。いや、元の遥に戻ったのだと思う。それは、大輔くん、君のお陰なんだね」
「あなた…」
「…里美、そろそろ帰るぞ。」
「だってあなた、」
「遥、いい人を捕まえたな」
「お父さん…私たちの結婚許してくれるの?」
「大輔くん、今度うちに来なさい。ゆっくり話そう。」
「はい。あらためて伺います。」
父と母を見送り、うちに戻って来て 二人は同時にため息をついた。凄くホッとしたのだ。
遥と大輔は、冷めきった料理を温め直し遅い夕食を取った。
「よかった」
「うん」
「ホッとした?」
「うん」
「私、反対されたって、大輔と一緒になるつもりだったよ」
「反対されたら、許可もらうまで何回ぐらい行ったら許してもらえるのかな…とか、いろいろ考えてた。」
「…大輔、ちゃんと自分の事話したじゃない。」
「嘘はいやだから。」
「そうね…」
「君のお父さん、ずっと黙ってるから僕は嫌われたと思った」
「無口なのよ」
「いい夫婦だね」
「仲良すぎるのよ。」
「僕は…父親を知らずに育って来たから、父親ってどんな感じなのかよく解らない所があるんだけど…昔、母が大輔を父親を知らない子供にしてしてしまってかわいそうだってよく言ってたけど、あんな風に傍にいて支えてくれる旦那様がいない母の方がかわいそうだったんだね。ずっと一人で…頑張って来たんだから。」
「…そうね。」
「母の認知ってさ、普通の認知症みたいに自然にそうなったんじゃないんだ。」
「?」
遥の父は、ゆっくりと話し始めた。大輔の表情が少し、硬くなった。
「最近娘が変わってきたのは、君の影響だって事が解ったよ。」
「え?」
「…元々遥は、明るくて優しい、いいこだった。それを私たち夫婦は、息子の死のショックから遥を酷く傷つけてしまった。でも…今の遥は変わってきた。いや、元の遥に戻ったのだと思う。それは、大輔くん、君のお陰なんだね」
「あなた…」
「…里美、そろそろ帰るぞ。」
「だってあなた、」
「遥、いい人を捕まえたな」
「お父さん…私たちの結婚許してくれるの?」
「大輔くん、今度うちに来なさい。ゆっくり話そう。」
「はい。あらためて伺います。」
父と母を見送り、うちに戻って来て 二人は同時にため息をついた。凄くホッとしたのだ。
遥と大輔は、冷めきった料理を温め直し遅い夕食を取った。
「よかった」
「うん」
「ホッとした?」
「うん」
「私、反対されたって、大輔と一緒になるつもりだったよ」
「反対されたら、許可もらうまで何回ぐらい行ったら許してもらえるのかな…とか、いろいろ考えてた。」
「…大輔、ちゃんと自分の事話したじゃない。」
「嘘はいやだから。」
「そうね…」
「君のお父さん、ずっと黙ってるから僕は嫌われたと思った」
「無口なのよ」
「いい夫婦だね」
「仲良すぎるのよ。」
「僕は…父親を知らずに育って来たから、父親ってどんな感じなのかよく解らない所があるんだけど…昔、母が大輔を父親を知らない子供にしてしてしまってかわいそうだってよく言ってたけど、あんな風に傍にいて支えてくれる旦那様がいない母の方がかわいそうだったんだね。ずっと一人で…頑張って来たんだから。」
「…そうね。」
「母の認知ってさ、普通の認知症みたいに自然にそうなったんじゃないんだ。」
「?」