*ΒaD boY,SaD girL*
[Bad boY]
あー・・・

聞こえる・・・

今日も、また・・・

『哉未ーーーーッ!!』

きた!!

ガラッッッ!!!!

勢いよく教室のドアが開かれた。
ドアを開けた女子生徒はズカズカと中に入ってくると一直線に窓際の一番後ろの席・・・哉未と呼ばれる男子生徒の元へ向かった。

『おはよう里沙ちゃん♪』

哉未は大声を出す女子生徒、里沙に向かってヒラヒラと手を振った。

『おはようじゃねえよ』

里沙は腕を組み眉間に皺をよせ哉未を見下ろす。
かなり立腹しているようだ。
・・・ついでに今は昼である。

『何だよ〜ダーリンが学校きたのに、その出迎えはぁ』

哉未は机に両足をのせケラケラと笑っている。
哉未のおちゃらけた態度と里沙がキレているのは、いつものことで周りは一切ふたりにふれずに日常生活を送っている。

『昨日・・・女と歩いてたって?』

里沙が冷ややかな目で哉未を見下ろすと哉未の顔が青ざめて行くのが目に見てわかる。

『お…』

・・・お?

『お母さん…です!!』

・・・・・?

哉未の言葉にニコリと微笑む里沙。
まるで天使・・・でも、その力の入った拳は男前。

バシッッッ

『母親とラブホ街あるくャッがどこにいんだぁぁぁー』

ナイスな右ストレーです。里紗さん。

これ日常。
でも今日のは一段と男前なパンチでした。
ごめんなさい。
だって俺ヤリタイ盛りの男子高校生なんです!
だって三度の飯より女の子が大好きなんです!!
これが健全な18歳男児だと思いませんか?


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