*ΒaD boY,SaD girL*
[Boys talk]
哉未は赤く腫れた右頬をさすりながら椅子の上に正座をする。

『ごめんなさいι』

浮気しては謝る・・・いつものパターン。
里沙は口元をヒクヒクさせている。

「痛そう。」

里沙の左際で友達の宇田がポツリと呟く。
あまり気持ちこもってなさげなトコが宇田の特徴(笑)

「謝るくらいなら浮気すんなよι」

そして里沙の右際で友達の智貴が呟く。

『何だよ!智貴が合コン誘ったんだろーが!』

智貴の発言に哉未が椅子に座ったまま智貴を蹴る。

「いてぇな!お前くると女あつまるんだよっ!!!」

反発するがチビな智貴が長身の哉未に勝てるわけなく、いつもコントのようにジャイアンとのび太状態になる。

『じゃあ哉未♪』

里沙の落ち着いた声に二人は蹴り合い殴り合いの動きを止める。

『今日、買いモノつき合ってね♪』

指を上下させながらニコリと微笑む里沙。
その笑顔の裏にカルティエ・プラダ・グッチ・ブルガリ・ティファニー・etc…の文字が浮かんで見えるのは気のせいではないだろうι
哉未は只うなづくだけだった。

『今日は何かわされんだろー』

里沙が友達の舞美と楽しそうに喋っているのを見ながら哉未は頬杖をついて呟く。

「お前ちったー反省しろよ。毎回毎回、浮気してさ」

宇田がポケットに手を突っ込みながら無表情で哉未を見た。

『反省してるよ~~。でも俺の暴れん坊将軍が(笑)』

哉未はケラケラ笑いながら頬杖をやめて足を机の上にドカっと乗せた。

「・・・でもさ~」
智貴がセットした髪を気にしながら話を変える。

「里沙ってキレるけど絶対、泣かねーよなー」

『ぷっ』

智貴が言った言葉に哉未は思わず吹き出した。

『あいつ、つえーもんな』

喉をならし苦笑いしながら哉未は言った。

「・・・」

その横で宇田は怪訝そうな顔をしたが哉未も智貴も気がつかなかった。

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