*ΒaD boY,SaD girL*
[Bluff]
街のネオンがキラキラ光っているのがよく見える。
ファーストフード店の窓際に里沙と宇田は向かい合わせに座っていた。
一回、家に帰ったようで二人とも私服だった

『結構、大丈夫なんだよね』

里沙がストローを口に運びつつ外のネオンを眺めながら言った。
二人の会話の内容は決まって哉未との事・・・

「・・・」

宇田は、そんな里沙を無言でみつめている。

『どっかで覚悟してたのかも。・・・こうなる事』

笑いながら言った里沙に宇田は何か言いたげだったが何も言わなかった。

『大丈夫』

さっきから里沙は外を眺めながら、そんな事ばかり呟いていた。
自分に言い聞かせるかのように・・・・。

「なぁ・・・・」

『分かってるってば』

何か言いかける宇田の言葉を遮り里沙は笑った。
宇田は怪訝そうな表情を浮かべるが里沙はストローでカップの氷を転がしながら笑っていた。

大丈夫

あたしは強い。

昔から「冷たい」とか「何考えてるか分からない」て言われてたしそんな自分が本当は嫌いだったけど・・・初めて自分に感謝したよ。

あの日・・・あたし、ちゃんと笑えてたでしょ?

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