*ΒaD boY,SaD girL*
[True・・・]
カーテンの隙間から差し込む朝日がまぶしくて里沙は目を覚ました。

「おはようございます」

『お・・・はようございます。』

里沙は部屋にいた看護師に戸惑いながらもあいさつをする。

「体の調子は、いかがですか?」

『はぁ大丈夫です』

里沙はベッドから体を起こしながら言う

「ああ!無理しないでくださいね・・・」

『・・・?・・・はい。』

看護師のあまりにも念をおしたような接し方に里沙は疑問を抱きながらも、ただ頷い
た。

「今回は残念でしたね・・・」

眉を歪めながら慰めの言葉を放つ看護師。

『?』

里沙は何がなんだかわからない様子だった。

「ちゃんと食事や睡眠はとらないとダメですよ。お母さんの体が丈夫じゃないと・・・」

ナニ?吐き気がする。
ナニ?何があった?

『あの・・・あたし・・・』

確かめるのが怖い・・・

『流産したんですか?』

お願い夢なら早く覚めて・・・

「!・・・知らなかったんですか?」

目を丸くしながら言う看護師

確信・真実・軽い目眩・吐き気

自分で血の気がひいていくのが分かった。
目の前が真っ暗になっていく気がした・・・だって誰も知らなかったあたしだけの秘密。


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