*ΒaD boY,SaD girL*
「それでは誓いのキスを・・・」

遠くでそんな声が聞こえた気がした

ゆっくりと目をとじる・・・

どちらからもなく自然に唇が触れた

触れるだけの短いキス

それでも幸せを感じずにはいられなかった。

『・・・』

唇が離れると照れくさそうにする哉未を里沙は自分から抱き締めた

『里沙?』

そんな里沙に驚く哉未。

里沙の肩が少し震えているような気がしてまだ泣いているような気がして今度は包みこむように抱き締めた。

『ごめんな』

じわりと目頭が熱くなった

空は変わらず青かった雲もなく強すぎない心地よい風が二人を包み込む

ギュッ

夢じゃない事を確かめるように、もう二度と離れないように、強く強く抱き締めた。

『里沙』

“愛してる”
そう言ったら多分、泣いてしまうから言葉にするのは、もう少しあと・・・

大切なものを失って初めて気がついた?

違う。

本当に大切なものは失って後悔して再び手に入れたとき抱き締めたときその時自分にとってどれたけ大きな存在かどれだけ愛しているのか実感するんだ。

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