ぷりけつヒーロー 尻は地球を救う 第1話
 その様子をモニターで見ている晋助、照子、敏也、万次郎。
「なんて羨ましいんじゃ!!凜太郎!!」
「俺もされてみてぇぜ!!チクショー!」
「うむ。同意見だ」
「あんた達!!それに所長まで何言ってんのよ!!早く凜太郎を助けに行かなきゃヤバイじゃない!!それに、目の前にこんな可愛い女子がいるのに失礼でしょ!」
照子の胸に視線を送る3人。そして、すぐに視線を逸らし、溜め息を漏らす。
「な、何よ!!言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!!」
「お前達!!凜太郎を援護してやってくれ!このままだと凜太郎が危ない!!」
「了解!!」
晋助の指示に敬礼と共に答え、出撃準備に入る敏也と万次郎。
「ちょっと!!待ちなさいよ!話逸らしてんじゃないわよ!!」
照子も2人の後を追う。
「もう少しの辛抱じゃ。今は耐えてくれ。凜太郎君。それにしても、やっぱり羨ましいのう!ワシもどうせ死ぬならああいう死に方がいいのう!!尻もいいが、オッパイも捨てがたいのう」





 意識が朦朧とし始めている凜太郎。もう自力でボインをどかす余力も残っていない。
「そろそろ限界かしら?このまま私の胸の中で死になさい!あなたもオッパイに包まれながら死ねるなら男として本望でしょ?」
不敵に笑うボイン。そこへ敏也、万次郎、照子が乗った戦闘機が3機上空に現れ、ボインに攻撃を開始する。
「ちっ!うるさいハエどもね!!」
その時、一瞬ボインの凜太郎を押さえつける力が弱まった。

――今だ!!

力を絞り出し、なんとかボインを跳ね除ける凜太郎。尻もちをつくボイン。辺りに轟音が響き渡る。
持ち直し、息を整える凜太郎。そこへ照子から通信が入る。
「大丈夫?凜太郎」
「な、なんとか……」
「今から私達であのデカパイの気を引き付けるから、その間にあんたはぷりけつビームで奴を仕留めなさい!!」
「でも、それじゃあ照子さん達が――」
「私達は大丈夫よ!あんなデカパイには負けないわ!!」
「そうだぜ!!俺達を信じろ!」
「俺を誰だと思ってる。どこかのクソチビはともかく、俺に失敗などない」
「誰がクソチビだてめぇ!!」
「クソチビと言われて反応するということは自覚はしているようだな、クソチビ」
「こんな時までやめなさいよ!あんた達!!とにかく、あんたはあのデカパイにぷりけつビームを当てることだけを考えなさい!!絶対に外すんじゃないわよ!!外したりしたら承知しないんだからね!!」
「分かりました!!皆さんを、信じます!!」
通信しながらもボインへの攻撃の手も緩めない敏也、万次郎、照子。ボインは完全に3人に気を取られている。なんとか3人の戦闘機を叩き落とそうと試みるもかわされてしまい、なかなか攻撃を当てられずにいる。
凜太郎はこれを好機と見て、大きく深呼吸を1つしてからボインに覚られないようにぷりけつビームの体勢に入る。立ち上がり、ボインの方へ自身の尻を突き出す凜太郎。後ろを振り向き、狙いを慎重に定める。
「ぷ、ぷりけつビィィィーム!!」
凜太郎が叫ぶと、尻からぷりけつビームがボインに向けて発射された。それに気づき、慌てて凜太郎の方を見るボイン。
「しまっ――」
凜太郎のぷりけつビームはボインの急所を貫き、そのまま倒れるボイン。倒れた直後、その身体は大きな爆音と共に爆発した。黒煙が天高く立ち昇り、衝撃波で周囲の物が一気に吹き飛ぶ。衝撃波の影響で少し姿勢を崩す3人の戦闘機。
「や、やった……!あ、そうだ。変身解除しなきゃ。え~っと……変身解除!」
"変身解除"の言葉の直後、凜太郎の身体が元の大きさへと徐々に戻っていく。
 元の大きさへと戻った凜太郎はその場でへたり込んでしまう。自身の手を確認すると、小刻みに震えていた。
「手の震えが止まらないや……」
そこに晋助、照子、敏也、万次郎から通信が入る。
「凜太郎君!よくやってくれた!!さすがはワシが見込んだぷりけつじゃ!!」
「やったわね!お疲れ様!」
「俺様の援護のおかげだな!帰ったらジュースくらいおごれよ!」
「まぁクソガキにしてはよくやった方だな。褒めてやろう」
「では凜太郎君、5分後に逆転送で回収するからの。そこで少し待っててくれ。本当によくやってくれた!!ありがとう!!」
4人からの通信が切れると、凜太郎の口から大きな溜め息が漏れた。
「それにしても……怖かったあぁ~……」





 一方その頃、地球から1万光年ほど離れた宇宙を漂う謎の宇宙戦艦があった。その第一艦橋の艦長席に1人の男性が座っている。そこに近づく1人の女性。
「艦長。ご報告が」
「なんだ?」
「ボインがしくじったみたいです」
「ほぅ。誰にやられた?」
「相手はぷりけつヒーローと名乗る、ふざけた名前の地球人らしいです」
「で、どう対処する?」
「次は――」
「次は私が行くよ!」
2人に近づくムチムチした身体つきの若い女性。
「そんなやつ、私のお尻で潰してあげる!目に目を、尻には尻をってね」
「うむ。いいだろう。頼んだぞ、デカシリよ」





 勝利感に浸る凜太郎達。しかし、新たな脅威が迫っていることを彼らはまだ知らなかった――。
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