箱庭の世界



最奥の部屋の一歩手前。

他のどの部屋よりも厳重な警備態勢が敷かれている部屋。

この部屋以外にもセキュリティが頑丈な部屋は幾つかあるけれどこの部屋はその中の一つ。

部屋の奥には禍々しいオーラが立ち込め、ただならぬ気配を感じる。

剛鉄製の扉に認証コードを入力し、網膜スキャンに指紋認証をしてからゆっくりと重い扉を開く。

中に入った瞬間、光る何かが頬を掠めて扉に突き刺さった。

「空、ただいま」

一人ベットに座っている男に近付いていく。

最初は警戒していた彼も私だと分かるとやんわりと笑みを浮かべた。

「………なな?」

「うん。ななだよ」

刺激しないようにそっと近づき、空を抱き締める。

安心させるように背中を擦りながら周りを見渡した。

壁や天井にはナイフが突き刺さり、モノが散乱して足の踏み場もない。

そこかしこに割れた花瓶やテレビ、ソファーの残骸、ビリビリに破けたベットのシーツ、カーテンの欠片などが転がり、テーブルの足は折れ、イスは真っ二つに破壊されて羽毛がふわふわ浮いていた。

防弾ガラスと強化ガラスの二重構造で造られた窓にはヒビがはいってあちこちにガラスの破片が飛び散っている。

一体どうやったらここまで壊せるんだというぐらいこの部屋は瓦礫の山と化していた。



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