オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~


あっつい。

そう思いながら重いまぶたを無理矢理開ける。
どうにか視界が開けるまでこじ開けると、目の前に見知らぬ男の寝顔があった。
急激に目が醒め、猛烈な勢いで意識がしっかりしてくる。
見知らぬ男? ーーー高い鼻梁にシャープな頬、顎。きっちり閉じられた薄いのに色気のある唇。肌もきれいで、まつげは…意外に長い―――完璧…。
って、このイケメンを見知らぬはずがない。

向居柊介。

私の同僚で私の―――。

ぎょっ! となって飛び起きようとしたら、がっしりと腕が背中に回っていて動けなかった。
熱いと思ったのはこのせいだ。
向居に抱き締められて、その体温にしっかりと温められていたから。
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