オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
【side 柊介】


老若男女、月曜の朝は憂鬱と言うけれど、俺はあまりそう感じたことはなかった。

休み気分から仕事モードに切り替えるのが辛いからなのだろうけど、俺に関してはそれがないのだ。なぜなら、切り替えるもなにも、仕事に関する調べものをしたり、ロケハンで得た資料をまとめたりと、休みも仕事しているようなものだったからだ。

でも、今はまったく違う。

忙しなく鳴る電子音。
眠気に支配されている頭を無理矢理動かして昨晩のことを思い出し、ベッドの下に転がっていたスマホを拾いあげてタップする。

今日は…月曜。

訪れた静寂の中で眠気と戦いながら、猛烈な嫌悪感に見舞われる。仕事、行きたくないな…。

こう思うようになってしまったのは、やっぱり―――俺はちらと俺の腕の中で眠る温かくて愛らしい存在に目を落とす。

この子と恋人関係になってからだ。

規則正しい呼吸をして寝入る姿は眠り姫さながらに綺麗だ。
小さな顔に、小さな顎。俺が好きでたまらない勝気な猫目はまだ固く閉じられたままで、長い睫毛が白い頬に影を落としている。形のいい唇が少し半開きになっているのを見ると、反射的に胸が甘くうずく。

昨晩も欲望に任せて求めてしまった。
仕事熱心なこの子は、明日は仕事だからと最初は突っぱねたものの、俺が少し強引にキスを重ねるとすぐに絆されてしまった。そんな素直な可愛さが、俺の欲情をさらに焚き付けてしまうことも知らず。
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