オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
五年という長い恋煩いを経て手に入れた逢坂都と付き合って、三か月が経った。
あっという間に過ぎた三か月だった。
あっという間の中に、俺は色々な変化を体験した。
そのひとつがこれ。朝の気持ちの変化。

都と離れてしまう朝を切なく感じるようになった。
離れてしまうと言っても職場は同じだ。けれども都が俺達の関係は秘密にしたいと言うから、職場では素っ気ない同僚ごっこをしなければならない。
だから、その寂しさを晴らすように夜は存分に愛して一緒に眠る。

互いの肌に温められたベッドの中は、夏に入った今時分はかなり暑い。けれども都の身体と体温はそれでもやっぱり心地いい。

起こさないようにそっと、小さな身体を抱き締める。
華奢な肩も、さらさらと腕に零れる黒髪も、俺の胸に付く小さな鼻も、たまらなく愛しい。

もう三か月。
なのに、まだこんなに胸が高鳴る。いや、彼女を知るにつれ、どんどん夢中になっていく。片時も離れたくないと、渇いたように身体がこの小さな身体を貪欲に欲している。


「う…ん…」
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