オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
怒り任せに強引に伸ばした手が、スマホを持つ向居の腕に当たった。

拍子にスマホが滑り落ちて床に跳ねる。
カーペットだからよかったけれど、勢いよくバウンドした音はかなり嫌な音だった。

拘束が溶けた。
向居からはじかれるように離れてスマホを拾う。…よかった、まだアップされてない。
すぐに画像を消去する。

向居は小さく吐息すると口を開いた。


「…わるかったよ。おふざけが過ぎた」


そっけなく言う言葉にじわじわと怒りがこみあげてくる。
おふざけにしては過ぎるんじゃない?
だって、本気でアップしようとしていたでしょ。社内で誤解されても良かったの!?

信じられない、こんなに大人げないヤツだったなんて。
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