それでもいいって、いったじゃん。
起き上がると、隣にある体温が薄れる。それが少し嫌で、だけど少しふらつにながら立ち上がり、お風呂場へ向かう。


気怠さが少し残る体を引きずって、
ついたら服を脱いで。

蛇口を捻り、お湯が出るのを待った。
シャワーの音が響く。


お湯に触れた指先がじんわりと熱を帯びて、なんとなく口先からごめんねが溢れた。


自分を愛せない私は、
人を愛することでしか生きていけない。だけどそれは、きっと相手に重くのしかかってしまうことなんてわかりきっていたのに。


やさしいあなたを、愛してしまった。あーちゃん、

「ごめんね。」
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