俺様副社長の溺愛秘書
「俺の唯一の一目惚れ。別れた時は本当に悔しかった。俺の何が駄目だったのか?って。」


「ごめん。」


「朱里は悪くない。俺が守れなかっただけだ。」


「ごめん。」



写真を見つめたまま、高校時代の話をする尚輝に謝るしかなかった。



「これからは朱里も俺達の子供もちゃんと守る。噂で駄目になりたくないし、絶対に別れたくない。」


「うん。」


「この写真を見る度、『強くならないといけない』って思ってきた。」



尚輝の手が私の頬に触れた。



「俺を信じてくれ。何を噂されても、俺の気持ちを信じてくれ。」


「尚輝。」


「一緒に暮らせば、俺の嫌な部分も見える。それでも俺は離さない。」


「尚輝、私の嫌な部分も見えるよ?」


「それでも一緒に暮らしたい。」


「ふふっ、尚輝の思惑通りだね。」


「今さら気づいても遅い。」



尚輝の唇が重なり、私を強く抱き締める。同じように尚輝を抱き締め返した。

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