俺様副社長の溺愛秘書
次の日から薬指に嵌められた指輪。


それを噂する社員達。



「朱里、結婚するんだ。」


「まだ先よ。」


「婚約はしたの?」


「したよ。」


「やっぱり束縛?」



前の席に座る真央へと顔を上げた。



「束縛?」


「俺のモノだって事。」


「一緒に暮らすから。親にも社長にも結婚前提と宣言した手前ね。」


「それで婚約。」


「うん。結婚するのは先よ。」



真央と会話をしていく。


同棲のついでに婚約?


なんか腑に落ちない。でも、それが私達の現実だ。



ついでに婚約?



その言葉が頭から離れない。



尚輝は―――ついでに指輪を渡した?



負のループに堕ちそうだ。


目を閉じて大きく深呼吸した。



「よし、仕事だ。」



気合いを入れ直して仕事に集中した。
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