俺様副社長の溺愛秘書
二人でロビーを歩く。


掛けられる挨拶に対応する副社長の後ろを歩いていく。



「俺宛は?」


「はい、こちらです。」



すっかり受付に寄るのも副社長と私の二人だ。


指に光る婚約指輪に視線を向けられる。受付嬢と目が合う。



「すっかり見慣れてきましたね?」


「そうですか?」


「副社長、やっぱり奮発しました?」


「ああ。」



そんな会話を受付でしていれば、肩を叩かれて振り返る。


見上げた先には――――。



「朱里さん、おはよう。」


「陽輝、おはよう。」


「最近、電車じゃないの?」


「まあ。」



チラリと副社長へと視線を向ける。



「ふ~ん。」


「あっ、陽輝さん、おはようございます。」



副社長への挨拶と明らかに態度が違う受付嬢にクスリと笑みが漏れる。



「陽輝、モテモテね。」


「兄貴が誰かのモノだからね。」



ニヤリとする陽輝と目を合わせる。
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