俺様副社長の溺愛秘書

突然、肩に回された腕に体の動きが止まる。



「陽輝、仲が良すぎだ。」


「兄貴、ここは会社だよ？」


「知ってる。松井、行くぞ。」


「はい、副社長。」



陽輝に苦笑いを見せて、前を歩く副社長を追い掛ける。



「兄貴、変わらないね。独占欲が。」


「ああ。陽輝、後で資料を見せろ。」


「はいはい。」



私の後ろを歩く陽輝と前を歩く副社長が歩きながら会話をしている。


その間を歩いていく。



「朱里さん、買い物に付き合って。」


「いつ？」


「今週の暇な曜日。」


「ない。」



副社長が答える。私は陽輝に手を振り、副社長と秘書課のある階へと向かう。


副社長が秘書課へと入っていく。



「高城、海外事業部の資料。」


「はい。」



この会話も最近慣れてきた。何故かと言えば―――。



「松井さん、社長のスケジュールを。」


「はい。今から社長室へ行ってきます。」


「松井さん、13時半に悠木で会議だから、社長がお昼は一緒にと連絡がありました。」


「はい、予約は？」


「俺がします。」


「はい。」