俺様副社長の溺愛秘書
突然の笑い声に尚輝が一気に捲し立てる。


笑っているのは運転している悠木聡(ゆうき さとし)、その隣で笑うのは佐伯陽輝(さえき はるき)、尚輝の弟だ。



「笑うな!勝手に俺の部屋に来るな!」


「いやいや、俺は陽輝に誘われただけだし。」


「俺は朱里さんが泊まるって言うから。」


「だったら遠慮しろ!」



尚輝が運転席と助手席に座る二人に叫んでいる。


前に座る賢人が大きく頷いている。



「それで?」


「朱里とベッドにいたのに……聡と陽輝が邪魔しに来たんだ。」


「別に怒るなよ。」


「はあ?賢人も途中で来たら怒るだろ。」


「無視しろ。そんなのは。」



賢人が真央を抱き寄せ直した。



「俺なら無視だ。」


「朱里が『出て、出て。』って煩いんだ。」


「口を塞げ。」



賢人の言葉に唖然と前に座る賢人を見つめた。



口を塞げ?



賢人の俺様っぷりに前の二人を交互にガン見した。
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