俺様副社長の溺愛秘書
「揉めた?」


「揉めてない。」


「嘘?あの副社長だよ?」


「…………。」


「揉めたんだ。」



愉しそうな真央へ資料を手渡した。クスリと笑う真央が愉しそうだ。


机に積まれた資料へと手を伸ばしていく。



「残業?」


「だね。」



真央との会話を切り上げ、資料を捌いていく。また副社長へと届けなくては。


気が重くなる…………。


黙々と仕事モードに切り上げていく。忙しくて時間も忘れる。


目の前の内線に集中力が切れた。



「松井、副社長室へ。」


「はい。」



副社長のお呼びだ。コーヒーを淹れ、捌いた資料を片手に副社長室へと向かう。


ノックをして部屋に入り、コーヒーと資料を手渡した。



「朱里、帰れるか?」


「………本当に泊まるの?」


「俺の言った意味を理解してないのか?」


「………してます。」


「なら、反論はないな?」


「………はい。」



私も結局は丸め込まれている気がする。
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