俺様副社長の溺愛秘書
「ありがとうございます。副社長、行きましょうか？」


「ああ、いつもお疲れ様。」



受付嬢に笑みを見せて立ち去る副社長の背中をじっと目で追う受付嬢に呆れながら、エレベーターへと向かった。


エレベーターへと二人で乗り込めば、他の社員も頭を下げながら乗り込んできた。


朝のエレベーターは混んでいる。



「妬いたか？」



耳元で囁かれる声に隣を見上げた。



「副社長、他にも社員が……。」


「照れるな。」



愉しそうな副社長から前を向き直る。静かなエレベーターで二人の会話は危険だ。


副社長を無視して無言で、各部署のある階で下りていく社員を見ていた。


目が合えば、軽く会釈をする。それが気に入らないのか、副社長からは舌打ちが僅かに聞こえていた。



「うちの受付嬢をどう思う？」



二人だけになったエレベーターで、突然の質問が聞こえてきた。隣を見上げれば、目と目が合った。
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