メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*

「…へぇ…?」

「そっか。幾斗、話したんだね。…そりゃ、あんな優しい顔になるわな。」

ふっと笑みを浮かべて手に持っている雑誌をパラパラと捲る藤枝さんの横顔はやけに優しくて安心している様に見えた。

「幾斗、母親に会いたいとか言ってなかった?」

『何も…。あの…冴木君のお父さんは…?』

「分かんない。目を眩ませるみたいよ。知り合いの警察に探しては貰ってるけど…まだ情報は無いんだ。…何したんだか。」

『…そう、なんですか…。』

どんよりとした空気が流れ、次の話題を考えていると、りりあちゃんの黄色い声が聴こえてきた。
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