メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*
『実は…戻ったんです!お父さんの意識が!』
「「マジ?!」」
「一そっか。ちょっと安心出来たね。でも、続きがありそうな顔してるけど。」
『…まだ会話とか手足動かしたりとかは難しいみたいなんです…。でもっ、目が開いてお姉ちゃんの指を目で追ったって、連絡が来て…』
「…っ……。」
それぞれ皆、視線は目を見開いていて、幾斗と楓さんは悔しい顔、藤枝さんは静かに俯いてしまう。
だけども、直ぐ笑顔を向けられ幾斗に再び強く抱きすくめられた。
「よし!まずは第一歩、前進!これからだよ、これからっ!」
『うんっ…!』
力強く頷いたつもりでいたけど…幾斗を抱き締め返す力は弱々しくて…体が心に付いていってないのか、その逆なのか…ふわふわした感覚が広がっていた。