幼馴染は関係ない
17話
☆主人公視点に戻ります。


新君との行為を終え、そのまま眠りにつきたい気持ちを奮い立たせて、
「お母さん帰ってくる前にシャワー入っちゃお?」
と新君に声をかけながら、下着を掴み立ち上がる。
「僕は・・・いいよ」
と新君が言うから私は振り返った。
「え? でも、汗・・・」
その時の新君は私の裸をじっと見ていた。
咄嗟に私は下着で胸を隠す。
さすがに、恥ずかしいから。
「花音はシャワー浴びておいで? 僕はタオルを貸してもらえれば・・・」
「それでいいの?」
「うん。 時間も時間だし、お母さんと鉢合わせたらマズイよね?」
と時計を見る。
まだ母が帰ってくる時間には早いけれど、新君がそう気を使ってくれるなら、と頷く。
私は慌てて着替え、濡らしフェイスタオルと乾いたバスタオルを新君に渡した。
・・・時々、こうやって事後処理をしてきた私達。
新君が自分の身体を拭き、服を着ていく姿を見つめていると、
「花音、髪 ぐちゃぐちゃ」
と、新君が笑った。
その時、来客を知らせるチャイムが鳴った。
私は慌てて髪を整え、玄関へと向かう。

竜生の来訪だった・・・。
どうして来ちゃったの!?
せっかく、新君と二人だったのに~!!!


新君の隣に座って、私は俯く。
新君の向かいには竜生。

「花音、準備してきたら?」
新君は、何事もなかったかの様に爽やかな顔で私に言う。
「え?」
「お母さんが帰ってくるまでに準備するって言ってただろ? それに、上尾君と二人で話がしたいし・・・」
と新君に言われて私は頷いて席を立った。
竜生に、「私達の仲を引っかき回すための嘘だけは吐かないでね!」と忠告して。

竜生に私達の仲を教える様な新君の台詞に驚いてしまった・・・。
新君は、竜生が新君が浮気をしていると決めつけた話し方をしたから、私達の関係をハッキリ告げた方が話が早いと思ったのだろう。
・・・けど、幼馴染にそういう事知られるのってなんだか微妙。
もう二十歳だし、付き合うってそういう関係も含めてだっていうのは当然だと思うからそんなに気にする事でもないのかな?

それより、新君、女の人に声をかけられるっていう事、否定していなかった。
そうだろうとは予想していたけど、いつも「モテない」と言い切っていたから・・・なんだか不安になっちゃうよ。

シャワーを浴びようとして、ブラスのボタンが掛け違っていた事に気付いた。
・・・竜生も気付いたかな?
うわぁ、どうしよう。 私達が 今 していたって事、両親に言わないよね!?

シャワーを急いで浴びて着替えとメイクをした。
髪はカールする時間はないからブローのみ。
それでも結構時間が経ってしまった。
新君と竜生の話、終わったかな?
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