愛されることを受け入れましょう
「俺のマンションだ。ここで話すとおじさんとおばさんに迷惑になる」

「迷惑になるなら話さなきゃいいんだよ。それに学生の樹くんと違って、私は明日も仕事なんだからね。今からなんて行けない」

「仕事より俺と話す方が優先だ。おばさん、すみません。柚珠奈をお借りします。遅くなりそうだったらそのまま泊めるので、その時は会社に休むって連絡して下さい」

「やだ、勝手に決めないでよ。明日休んだりしたら、理一君に心配かけちゃうもん。絶対休まないから!」

「やっぱりか。その理一君のことも含めて、全部聞かせてもらうからな。ほら、行くぞ。ではおじさん、おばさん、失礼します」

扉の奥で心配そうに見つめるお父さんと、楽しそうに観察するお母さんに挨拶して、樹くんは私を縦に抱えた。
お姫様だっこじゃなくて、子供を抱っこするみたい。

「や、樹くん、降ろして!お父さん達も止めてよ!」

「大人しくしろ。ほら、頭上げるとぶつけるぞ」

私の反抗なんて軽く受け流した樹くんは、ずんずん進んでそのまま助手席に押し込んだ。
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