愛されることを受け入れましょう
そんな理一君だからこそ、私への好意を匂わせる態度に動揺したのだ。

なのに、そんな理一君の事さえ、私は樹くんと比べてる。

「私、重症だよ‥‥‥」

こんな再確認、いらなかった。こんな状態で合コンなんて行ったって、何も変わらない。恋愛なんて始まらないし、状況の正確な理解も必要ない。
誰と出会っても、本人を理解する前に樹くんと比べて判断しちゃうんだから。

私は今でも、叶わない王子様への想いが断ち切れずに心の一番底でかすかにたゆたわせているって事だもん。


このまま落ち込めるトコロまで落ちたいけど、お給料をもらっている会社員としてはそうはいかない。
なんとか立ち上がってノロノロと動き出して給湯室を出た。

私が頼んだ話が進んでるんだから、今更行かないってのは出来ない。ひよりちゃんや由紀ちゃんも含め、みんながその為に予定を空けてくれてるんだもん。

とりあえず行かない、だ。

そして今は、とりあえず仕事しないと、だ。



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