奏でるものは~第2部~


8月14日。

朝から筝を練習していたが、早めの昼食に呼ばれた。

「初盆のお参りに来られたら、和室に通してあげてね」

「誰がくるか、よくわからないけど。
できるだけここにみんなでいよう。」

両親に「はい」と返事をする。

両親の会社関係や姉の学校の関係者、友人一家。

客間の方から仏壇のある、和室にお通しする。


千奈美と美輝も家族と一緒に来てくれた。
ゆっくり話す訳でもなく、両親はこんなときビジネスモードにみえる。

でも、目は優しく、人は、信頼できる人に支えられてると、感じる。

夕方、お参りに来る人も、今日は終わりかと、線香をたてる。


走馬灯をみながら、お姉ちゃんいるの?と心で問いかけるが、やっぱり返事はなかった。

1日の終わりに、ゆっくりと風呂に入った





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