エリート御曹司が過保護すぎるんです。
「なんだぁ……」

 もしかしたら、青羽も知っていたのだろうか。
 だから私に二階堂さんのことをけしかけていたのかもしれない。

 紫音が二階堂さんの親戚だったからといって、私が二階堂さんの彼女になれるというわけではない。
 けれど、少なくとも友達を失うことは免れた。


「あいつがいいやつなのは保証するからさ。それに私、じつは風間と付き合っているんだよね」
「風間って、あの営業の新人の風間くん?」

 そういえば、さっきもふたりで買い出しに行っていた。
 それで私が二階堂さんの自転車のうしろに乗せてもらって……。

「だから私、夜は彼と消えるから。桃ちゃんはここで留守番よろしくね」

 そう言って紫音は、いたずらっぽくウインクした。
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