エリート御曹司が過保護すぎるんです。
しばらくすると、彼はふたたび自分の席を離れ、事務のカウンターのすぐ横にやってきた。
ウォーターサーバーの水をステンレスのボトルに入れ、ごくごくと美味しそうに一気飲みする。
そして私のほうに向きなおり、極上の笑顔を向けた。
「和宮さんも自転車通勤だったんですね」
「へ?」
「あ、やっぱり、さっきの僕だって気付いてなかったでしょう」
さっきのって……あの自転車の?
「だ、だって、さっきTシャツ着ていませんでした? 汗びっしょりだったし……」
「いつも自転車通勤で汗だくになるんで、会社に着いてからシャワーを浴びて着替えているんですよ」
だからさっきの姿から変身しているのか。
ちゃんとシャワーまで浴びるなんて、さすがは営業社員。
へぇぇ、と感嘆の声を漏らすと、 二階堂さんは目を細めてくすくす笑った。
「入社して4年目ですけど、会社にシャワー室があるなんて知りませんでした」
「男子更衣室だけにあるみたいですよ。っていうか、あなたの突っ込むところはそこなんですね」
二階堂さんはそう言うと、さらに目を細める。
厳しい営業の仕事をしているのに、この人は物腰がやわらかい。
そして、なんといっても笑顔がステキ。
ちょっとだけ見惚れていると、二階堂さんが「ん?」と首をかしげて私の顔を覗きこんだ。
いけないいけない。
こんなゆるんだ顔をしていたら、変に思われてしまう。
ウォーターサーバーの水をステンレスのボトルに入れ、ごくごくと美味しそうに一気飲みする。
そして私のほうに向きなおり、極上の笑顔を向けた。
「和宮さんも自転車通勤だったんですね」
「へ?」
「あ、やっぱり、さっきの僕だって気付いてなかったでしょう」
さっきのって……あの自転車の?
「だ、だって、さっきTシャツ着ていませんでした? 汗びっしょりだったし……」
「いつも自転車通勤で汗だくになるんで、会社に着いてからシャワーを浴びて着替えているんですよ」
だからさっきの姿から変身しているのか。
ちゃんとシャワーまで浴びるなんて、さすがは営業社員。
へぇぇ、と感嘆の声を漏らすと、 二階堂さんは目を細めてくすくす笑った。
「入社して4年目ですけど、会社にシャワー室があるなんて知りませんでした」
「男子更衣室だけにあるみたいですよ。っていうか、あなたの突っ込むところはそこなんですね」
二階堂さんはそう言うと、さらに目を細める。
厳しい営業の仕事をしているのに、この人は物腰がやわらかい。
そして、なんといっても笑顔がステキ。
ちょっとだけ見惚れていると、二階堂さんが「ん?」と首をかしげて私の顔を覗きこんだ。
いけないいけない。
こんなゆるんだ顔をしていたら、変に思われてしまう。