奏でるものは~第4部 最終章~
本社での会議の後、自分のブースにいると、外線がなった。
「サイタ株式会社、サイタカオリです」
「如月コーポレーションの如月ですが。
明日の土曜日、空いてる?」
「え?優さん?
ええ、大丈夫」
「ドライブしよう」
「わ、分かったから。
なんでここに電話なの?」
「たまには、な?
じゃ、また、明日な。10時に…」
「駅に来てくれる?」
「では、よろしくお願いします」
「……失礼します」
―――心臓に悪い
ため息を一つ吐いて受話器を置いた。