私に触れて、そして殺して


あれ?



見慣れた後ろ姿
あれって…三吉さん?

終電の時間もあり駅前は人が多い
その中に三吉さんに似た人を見つけた


もしかしたら終電に乗るのかな?
なら一緒に帰れる、と
沈んだ気持ちが上昇する


行き交う人をかき分け
三吉さんらしき人がいた方へと向かう


ドン、と誰かと肩がぶつかり
転びそうになってしまう



「大丈夫ですか?」



その声と同時に引き寄せられた
大丈夫です、と答えながらも
視線は三吉さんを探す

転ばずに済んだ私は自分の足で立つが
身動きが取れなくなってしまった



「怪我、してない?」


ぶつかった人の声が遠くに聞こえる
血の気が引いて行く感じがした
だって、視線の先には
三吉さんが髪の長い女の人と
寄り添うように歩いていた

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