温かい絆を教えて

それからは、手を繋いであちこち見て回って、結局、子供服を買った。


イタリアンレストランで夕食を食べて、遊歩道を散歩してホテルに戻ってきたのは8時頃だった。


「あら、早かったのね」

驚いたように母が言った。

「ちょっとミズトと遊ぼうと思って」

照れたように笑うショウタにミズトが近寄っていく。

「広い部屋ね」

「ファミリータイプなのよ?ベッドは無くて、和室になってるでしょ?何人でも寝られるわ」

叔母が言うと母がショウタに言った。

「セオ?泊まるでしょ?」

「え?ここで?」

「嫌そうね?」

「アハハ、まさか……ねぇ」

ショウタが私に問いかけたが、何も言えなかった。

「なんてね、あなたたち二人で泊まりなさい。
こっちの部屋を取ってるから」

そう言ってカードキーを渡された。

「オババはミズトと遊ぶのよ。
さっさと行きなさいよ。
明日の朝8時に、朝食のバイキングに集合ね」



部屋を追い出された私達は顔を見合わせて部屋の番号を確認した。



< 220 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop