温かい絆を教えて
叔母の家の玄関を開けると、叔母夫婦が出てきてくれた。

「明けましておめでとう」

「よく来たね、体調は?大丈夫?」

「大丈夫」

穏やかな叔母夫婦が笑いかけてくれる。

叔母の家のリビングでお茶を出してもらう。

「色々事情があるんだろうけど、ここで暮らしたらいいわよ?

ただ、田舎だから未婚で出産って変な噂が広まると思うよ?
相手はちょっと病気とか、不幸話にしといた方が、不倫とか変な噂になるよりいいと思うんだけど、それでいい?」

「うん、迷惑かけます。よろしく」

「ここに住んでもいいし、私達が持ってるアパートがすぐそこにあるけど、そこに住むかい?」

「そうね……アパートの家賃は?」

「税金がかかるからその分だけ払ってくれたらいいし、気にしないでいいよ。
その方が気楽だよね?
ただ、お互い用事のない日は家で晩御飯を食べてほしいの。
娘が出来たみたいで嬉しいのよ」

笑顔の叔母の言葉も気持ちもありがたかった。
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