子犬男子に懐かれました


あ…でも、


「壮介くん彼女いるよね?いいの?私と会っちゃって」


確か上司と外回りに行ってた時のスイーツ屋さんの前の通りで楽しそうに笑って歩いていた。


凄く可愛くてお人形さんみたいな彼女だった。


「あぁ……違うよ、皐ちゃん。あれ幼なじみ」


「ごめん、彼女かと思った。……可愛いね、幼なじみ」


「よく黙ってれば可愛いのに、って周りから言われてるよ。それほどうるさい奴だよ普段は」


そうやって語る壮介くんの顔はすごく悲しそうだった。



「ほら、明日学校でしょ?もう遅いから帰るよ」


「えー、まだ皐ちゃんと話したいんだけどなー」

と甘えた口調で言う。



「だーめ、私も明日仕事で早いんだから帰るよ」


「分かったよ、じゃあ皐ちゃんの家まで送るよ」


「いいって、私もう大人だから」


さすがに5歳下に送られると悪い事させてるように感じる。


「皐ちゃん、女の子でしょ?

あんまりガキ扱いしないでよ。俺、男なんですけど」


「わ、分かったよ…」


結局、送ってもらうことに。





< 37 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop