100点テストの祈り鶴
どうしてもまだ心の準備がいる事だから、無理だと抗議の目を向ければ、諦めたかのように私から手を離した。
その顔は嬉しそうにしたままだが。
「まあ、この先が保障されたわけだし、これからよろしく」
「う、うん」
「あ、ちなみにこの願掛けの折鶴まだ続けるつもりだから、100点取った時は願い叶えてね」
「えっ」
「え、願い叶えてくれるんでしょ?」
「そう、だけど」
「やった!」
「……」
言質をとられてしまった気分だけど、私はどうあっても彼の願いを叶えるだろう。
願わくは彼と――……
と二人のテストを合わせた20個目の願掛けに願ってしまったのだから。
【end】

