100点テストの祈り鶴
じっと、自らが作成していた鶴を見ていたかと思えばその視線をそのまま私に向けてくる。
「……」
「……えぇっと?」
透き通った目に見つめられ、首を傾げながらも曖昧な笑みを浮かべてしまう。
目を逸らすのも失礼だと思うが、正直なところ恥ずかしいので目を覆ってしまいたいとも思った。
我慢の限界も近いときに、私に対して質問がなされた。
「花村さんって、俺のこの行動に何一つ文句も何も言ってきたことないけど、この鶴何の意味があると思う?」
「えっ、鶴の意味……?」
文句がないのはもとより、意味なんて考えたことはなかった。だって、彼の気まぐれで遊びの一環だと思っていたから。
だが、只ひとつ思ったことはある。
「わっ、私この折り鶴、何かの儀式っぽいなって思ってたからもしかして呪いの類い……?」
恐る恐る一つの答えを告げてみればどうやら間違いらしく
「くっ、はは!呪い……ははっ、呪いかぁ。それは新しいなぁ」
盛大に笑い飛ばされてしまった。
本当に呪いだったら困るけれどそんなに笑われてしまうのも困る。
「折り鶴なんだからどっちかと言えば願掛けって答えるところでしょ」
「っ~~!」
模範解答を告げられ急に恥ずかしくなり俯く。
そんな悪い意味を持つはずもないと冷静に考えればわかることだったのだ。